サーフィンと天地の氣に合するの道 其の二「友から門人へ」

2019.01.20 Sunday 09:04
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    前号からの続き

     

    2019年1月15日から始まったNAO とKちゃんと私の合氣道特別稽古です。


    まずは合氣道を習う意味をしっかり伝えました。


    これは非常に重要なことで、この部分のボタンの掛け違いが後に大きなズレを生じさせてしまうからです。


    合氣道を習うきっかけは人それぞれですが、目指すところは一つしかありません。

     

    藤平光一先生が説く「座右の銘」


    万有を愛護し万物を育成する天地の心を以て我が心としよう

    心身を統一し、天地と一体となることが我が修行の眼目である


    心身統一の四大原則

    一、臍下の一点に心を静め統一する

     

    二、全身の力を完全に抜く

     

    三、身体の全ての部分の重みをその最下部に置く

     

    四、氣をだす

     



    私達の生命も天地の氣より生じたのである。


    一瞬聞くと何だか宗教的?


    合氣道という一つの武道とはかけ離れた感じがあるかもわかりませんが、決してそうではありません。


    私は宗教家ではありませんし、そういうものには一切興味はありません。


    もし、合氣道が宗教なら私は絶対に合氣道はしていません。

     

    私達はどのようにして生まれてきたのか?


    父と母の精子と卵子の結合。


    そこまでは説明がつきますが、ではその前は?と聞かれると、そこから先は説明がつかなくなります。


    生まれたての赤ちゃんがそのような機能を有しているはずがありません。


    大人になるにつれ、そのような機能が備わってきます。


    太陽も現在燃えていますが、燃えはじめがあったはず。


    数字の1を1/2にしても0にならないように、その何もないが何かあった状態。


    この無限に小なるものの無限の集まりを称して「氣」といいます。

     

    そう考えれば、私たちの生命も肉体も天地の氣より生じたと考えられます。


    私達人間だけでなく、動物や魚、虫、石ころ、土、草木これら全て同胞です。


    これが万有愛護であり、これらを私達の住む地球もっといえば大宇宙にとって、もっと良くなるようにしていこうというのが、万物育成です。

     

    私達同胞は皆、天地の一部であります。


    天地というのは、今現在目の前に広がっている景色、自然、大空、海、山、地球全てを含む大宇宙のことでありますので、私達は本来、天地と一体になっているのが当たり前であるにも関わらず、つい私達は天地を忘れ自分勝手、自分の力で生きていると思っています。

     

    私達は天地に生かされています。


    ですので、天地に感謝し天地と一体にならねばなりません。


    天地と一体になるには、心身を統一しなければならない。


    その天地と一体となる方法が、心身統一の四大原則です。


    一、四は心の法則であり、

    二、三は身体の法則です。

     

    古来、心身統一は非常に難しい事とされておりましたが、藤平光一先生が一生涯をかけられて説かれたのがこの原則です。

     

    藤平光一先生は人間は本来、心と身体が一つであるのが当たり前で、元々一つのものを一つにするのは難しい事ではない。


    この四大原則は四つを同時に全て行わないといけないのではなく、一つが出来ていれば、全てが出来ており、一つが出来てなければ全てが出来てないと説明されています。

     

    実際にこれを実行すれば誰でもわかりますし、出来ない人は誰もいません。


    今、私達は何の苦労もなく修行出来ることに感謝しなければいけません!



     

    今までKちゃんとNAO が、静座して私の話を聴いたことなど一度もありませんでしたが、稽古を始めてからは、きちんと静座で聴いています。

     

    最初は二人とも背中が曲がり、仙骨が曲がっていましたが、正しい静座の統一を教えてからは統一体で座っています。


    しかしながら時々、私の方が二人の真剣な顔を見ながら話していると可笑しくなってきます。

     

    今までNAO の超真剣な顔を見たことがありませんが、それほどに今回の稽古には真剣に取り組んでいる証拠でしょうね!


    "心が身体を動かしている"んですね。

     

    思えばNAO もオモシロイ人です!


    初めて出逢ったバリで彼女たち一行が、帰国で空港まで見送りに行った時に、


    「じゃあ、また来年ここで会いましょう!」


    「うん!絶対にね!また良い波乗ろうね!」


    お互いこんな感じの別れ方なので、もしかしたら、もう会わないかもしれないのですが、本当に翌年同じ場所で再会しました。

     

    "別に約束した訳ではないけれども、海に行ったら会う。"


    "そこに行けば居る"っていうのがサーファーという人種なのです!

     

    バリでの再会は後に重大な"ある事件"を引き起こしてしまうのでした。

     

    私は毎年の決まった行事のように四月初旬にバリに向け出国していました。

     

    今は知りませんが、当時はゴールデンウィーク前の四月初旬がバリへのチケットが一年で一番安かったからです。

     

    その年も何ら、かわりなく四、五人の仲間とバリへ。


    またいつものように一週間で友人は帰国し、またいつものように一人でバリとサーフィンを満喫していました。

     

    一人というのが結構楽しいんです!

     

    もう何十回とバリに行っているので、現地にも知り合いや友人がいるというのもありますが、大勢より一人だと色んな出逢いがあるのです。

     

    ほんとに十九回のバリ渡航で沢山の人と知り合えました。貴重な思い出です。

     


    ある日の夜のことでした。


    いつも屋台で安くて旨いナシゴレンを食べていましたので、

    たまにはレストランにでも出かけて、

    ビンタン(ビール)とナシゴレン(インドネシアの焼き飯)、

    サテアヤム(鳥の串焼き)でも食べよかな?


    もちろん一人ですがね。

     

    バリインダーというレストランに出かけて上記の品を注文して料理が出てくるまでがとにかく遅い!


    「ビール温くなるやん」一人だし手持ち無沙汰でとても長く感じてました。

     

    それを見て氣の毒に思ったのか?


    レストランのスタッフが「マジック?マジック?オモシロイ!ヤル?タノシイヨ!」


    しつこい位に誘ってきます。


    伊達に数十回バリに行ってないので、


    「そのくらいの会話ならバリ語で出来るわい」


    しつこく誘ってくるので、


    一人だし「まあええか?」と誘われるまま店の隅のカーテンの奥に入っていくと、

    「アブラカダブラ」と言いながら一人のお婆さんが寄ってきて、


    いきなり顔を墨のようなもので真っ黒に塗られた!


    これで願い事が叶うんだ!というものらしい。


    もしかして、ブラックマジックかホワイトマジックか?

     

    バリには確かにこのマジックが存在した。


    私はホワイトマジックは経験したことがあるが、このレストランのようなものではなかった。


    そのとおり、単なるお遊びだった!


    でも、困ったぞ!


    洗ってもすぐには取れないらしいではないか?

     

    仕方なく、真っ黒な顔で一人飯をしていると、


    日焼けしていない女性四人が店に入って来て、


    私の席の反対側の隅の席に座っていた。

    バリで日焼けしていない人は凄く目立つ!


    今日か昨日、着いたんだろうな?


    そのうち、真っ黒に日焼けするんだろうな?

     

    それにしても、聞いたことのある笑い声だな!


    あの独特の、かん高い大きな笑い声は


    私の潜在意識に深く入っていました!


    独特の笑い声の出力先はやはりNAO だった!


    「NAO ちゃんでしょ?」

    「また、逢えたね!」

     

    「えっ!誰?」

     

    「忘れたん?オレ」

     

    「えっ!もしかして!隊長!」

    「なんで〜!どーした!その顔?」

     

    「いつバリに着たの?」

     

    「さっき着いたの」「隊長は?」

     

    「二週間前」

     

    二度目の再会でした!

     

     

    前回のメンバーたちと握手をし、


    初めて会う彼女の友人も紹介してもらい、

    明日の朝クタリーフで会う約束をして、


    楽しい夕食を過ごさせてもらいました!


     

    今になって思えば、


    一人ではめったに行かない一人飯に、


    この日、


    この時刻に、


    この店に行った私と、



    この日の夜にバリに入国し、


    ホテルのチェックインを済ませ、


    日本円をルピアにマネーチェンジし、


    この日、


    この時刻に、


    この店に来た彼女は、


    この店に導かれ


    "会わなければならなかった運命"


    なのかな?


    と少し大袈裟ですが思っています。


    何故なら、


    この二度目の再会がなければ、


    私とNAO が合氣道の稽古をする事など絶対にありえません。


    もっと言うなら、


    この日の十数年前のKちゃんとの出逢いがなければ、


    絶対にありえない!

     


    それから数日が過ぎ、彼女の友人が


    「ねぇ、隊長、バリへのチケットって最大で三週間じゃなかった?」


    今は知りませんが、確かに当時はそうでした。

     

    「どうやって?二ヶ月も滞在出来るんですか?」


    最大で二ヶ月は観光で滞在可能でした。


    もし、それ以上居たかったら、


    一旦出国してシンガポールに一日でも入国し、バリに再入国すれば可能でした。


    イミグレーションで色々面倒でしょうけどね!


    「二泊三日の一番安いチケットでバリに入国し、帰りのチケットを捨てて、


    現地で日本に帰る片道のチケット買えば二ヶ月滞在出来るんだよ!」


    「へぇ〜そんな裏技があるんだ!」

     

    彼女ら一行の滞在期間二週間の残り二、三日になった頃、


    NAO の様子がどこかオカシイ?


    とにかく、


    陽氣で、


    かん高く、


    どこまでも通るような大きな笑い声が聞けない。


    彼女が何やら考え込んでいるではないか?

     

    いつものクタリーフでのサーフィン後の昼食中に


    「私もあと一ヶ月バリに居ようかな?帰りたくないよ!」


    と言い出し皆を困らせていました。

     

    数日前に私が皆の前で帰りのチケットを破った姿がとても印象的だったらしい。

     

    そして"事件が起こった"


    彼女ら一行が帰国する夜、空港に見送りに行ったときだった。

     

    彼女の友人たちが困り果てておるではないか?


    「隊長!どうにかして!帰るように説得して!」


    NAO は帰らないの一点張りでした。


    友人たちは「あんた馬鹿じゃないの?どうにかしてるよ!」


    「ふざけんな!ほんとにそれでいいの?」

     

    言われるのも無理はない、


    NAO が一番年下で


    "甘えん坊"で


    "少し優柔不断"な


    後輩が心配でならなかったんだろう!

     

    そして、


    ついに


    やってしまいました。


    「私帰らない!


    そう決めたの!


    隊長とあと一ヶ月バリに居る!」


    大切な帰りのチケットを私たちの目の前で破ってゴミ箱に捨ててしまいました!

     

    その後、ホテルに帰り自宅に電話をさせ、


    NAO のお母様に「帰国まで責任もって面倒見ます」とお約束させて頂きました。


    とても寛大なお母様で


    「NAO の決めたことでしたら、私はあの子を信じてます!どうか宜しく面倒見てやって下さい。」

     

    成田に帰国後、


    藤沢の自宅まで送っていって、


    お母様とお会いしました。


    「遠路遥々、大変お疲れのところ、


    自宅まで送って頂いて、どうもありがとうございました。」


    深々と頭を下げられ


    「この子を嫁に貰ってやって下さい」(笑) とも言われました。

     

    二年前に他界されたそうです。

     

    当時、二十か二十二、三歳のNAO でした。

     

     

    そんな、NAO に


    1/19上沢道場稽古後の、


    夜稽古でいつもの


    「隊長」


    から初めて


    「先生」


    と呼ばれました。

     

    寺崎道場 末席に


    NAO という


    門人が新たに


    加わりました。

     

     

    category:合氣道とサーフィン | by:道場長 | - | -

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    2019.04.05 Friday 09:04
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